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「デジタル・オーガニック」展

この度、2021年11月23日から2022年1月30日より、GALLERY 9.5にて「デジタル・オーガニック」展を開催いたします。

情報時代に生きる私たちは、日々進化する技術に追随するかのように、それぞれが知覚した情報を脳で言語化し、認識しています。
1990年代後半以降、一般家庭へのパソコンの普及やソーシャルメディアの登場により、ネット中毒や脳疲労などデジタルを巡る社会の問題はつきません。スマホやTVなどから離れ、自然と繋がりストレスの軽減をはかる「デジタル断ち」や、マインドフルネス瞑想のアプリが人気になるなど、人間が本来持つ能力を取り戻そうという動きは、いま世界の潮流となりつつあります。

こうした自然への回帰傾向は、60年代のヒッピー文化や、70年代にブライアン・イーノが提唱した「環境における音楽=Ambient」が生まれた背景に、ルーツを見つけることができるでしょう。しかし、対立ではなく共存する存在としてのテクノロジーや、それらを取り巻く環境や社会の変化。そして、私たちの知覚をひらく装置としての視覚・聴覚メディアを通し、五感をキーワードに現代の身体性を探りたいと思ったことが本展のきっかけです。
江島と武田は、音を顕在化させる装置としてターンテーブルを用い、時間や行為への気づきを促す新作を発表します。小松は、フィールドレコーディングで録音した音や光を媒体とした作品を制作し、距離と感覚における認識について探求します。鬣は、史実や事象の記録をもとに、ときに他者を介在させながら、現代における絵画の在り方や画家の役割について問いかけます。多和田は、民間信仰や芸術療法のリサーチをもとに、写真を燃やし削るといった儀式的な手法に加え、メディアの汎用性を取り入れながら、個人と集団との接続を試みます。

私たちに自然に備わった感覚と原始的体験とは何なのか。本展を通し、観客の皆さまが自身を見つめ内面と向き合う時間に繋がれば幸いです。

【出展作家】

CYCLEE|サウンドインスタレーション|おりん、ターンテーブル、FMシンセサイザー、スピーカー、西陣織|2020

江島 和臣 & 武田 真彦|ESHIMA KAZUOMI & TAKEDA MASAHIKO

音楽家/アーティストとして活動する、江島和臣と武田真彦。「継承すること、調和すること」をコンセプトに、クリエイティブな実験を行うメディアラボ「Laatry (ラットリー)」を共同運営。音の制作を中心に、サウンドデザイン、空間演出、プロダクト制作、ウェブサイト制作、アプリケーション開発、インスタレーション展示など、さまざまな媒体(メディア)を取り扱いながら活動を行っている。

Illu(Kameoka)|サイズ可変|映像(10分)|2021

小松 千倫|KOMATSU KAZUMICHI

1992年高知県南国市生まれ。京都市在住。音楽家、美術家、DJ。様々なレーベルやパブリッシャーより、複数の名義で膨大な数の音源をリリース。情報環境下における身体の痕跡とその記録、伝承について、光や音といった媒体を用いて制作・研究している。土井樹、Takao、Cristel Bere、荒井優作からなる音楽集団「fujin korong」に不定期参加。

キャバレーへ|Oil on paper and canvas|2019

鬣 恒太郎|TATEGAMI KOUTAROU

絵画を中心に制作活動を行う。近年は、現代社会の中に発露する宗教性に着目し、画家が何を担える/担えない/担ってはいけないのかについて考察している。主な展覧会に個展「Ba/ば」(VOU棒、2021年)、グループ展に「VOCA」(上野の森美術館、2019年)また2018年より彦坂敏昭、前谷開と共に “KISOJI“としても活動し、島崎藤村『夜明け前』をガイドブックにリサーチ、展示を行う。

THEGIRLWHOWASPLUGGEDIN |サイズ可変|インクジェットプリント|2021

多和田 有希|TAWADA YUKI
自ら撮影した写真を消す(削る、燃やすなど)という行為を通し、都市や群衆の集合的無意識や個の意識変容をイメージとして湧出させる。近年の主な展覧会に「第12回恵比寿映像祭 時間を想像する」(2020年・東京都写真美術館)、個展「悪魔祓い、系統樹、神経の森」(2018年・G/PGallery)、「写真都市展—ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たちー」(2018年・21_21DESIGN SIGHT)、「カミナリとアート 光/電気/神さま」(2017年・群馬県立館林美術館)。主な作品収蔵先としてスミソニアン博物館フーリアギャラリーなど。
https://www.yukitawada.com/
「デジタル・オーガニック」          
会期:2021年11月23日(火・祝)~2022年1月30日(日) 11時~20時                                     出展作家:江島 和臣&武田 真彦、小松 千倫、鬣 恒太郎、多和田 有希                                    会場:ホテル アンテルーム京都 l GALLERY9.5                                              住所:〒601-8044 京都府京都市南区東九条明田町7番(担当:江口)                                     主催:ホテル アンテルーム 京都                                                     協力:パナソニック㈱                                                         デザイン:中家 寿之                                                          企画:上田聖子(UDS)

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